1設立時取締役(設立しようとする株式会社が監査役設置会社である場合にあっては、設立時取締役及び設立時監査役。以下この条において同じ。)は、その選任後遅滞なく、次に掲げる事項を調査しなければならない。
一 第三十三条第十項第一号又は第二号に掲げる場合における現物出資財産等(同号に掲げる場合にあっては、同号の有価証券に限る。)について定款に記載され、又は記録された価額が相当であること。
二 第三十三条第十項第三号に規定する証明が相当であること。
三 出資の履行が完了していること。
四 前三号に掲げる事項のほか、株式会社の設立の手続が法令又は定款に違反していないこと。
2設立時取締役は、前項の規定による調査により、同項各号に掲げる事項について法令若しくは定款に違反し、又は不当な事項があると認めるときは、発起人にその旨を通知しなければならない。
3設立しようとする株式会社が指名委員会等設置会社である場合には、設立時取締役は、第一項の規定による調査を終了したときはその旨を、前項の規定による通知をしたときはその旨及びその内容を、設立時代表執行役(第四十八条第一項第三号に規定する設立時代表執行役をいう。)に通知しなければならない。
この条文の過去問 2肢
結論:この記述は誤り。
会社法327条の2は、監査役会設置会社(公開会社であり、かつ、大会社であるものに限る。)であって金融商品取引法24条1項により有価証券報告書を内閣総理大臣に提出しなければならないものは、社外取締役を置かなければならないと定めるにとどまる。求められるのは社外取締役1人以上であり、「取締役3人以上」や「その過半数が社外取締役」という要件は課されていない。
社外取締役が過半数でなければならないのは、監査等委員会設置会社における監査等委員である取締役(会社法331条6項)や、指名委員会等設置会社における各委員会の委員(会社法400条3項)についての規律であり、本記述はこれらの規律を、社外取締役の設置義務を負うにすぎない上場監査役会設置会社に誤って当てはめたものである。
なお、取締役3人以上が必要とされるのは取締役会設置会社の取締役(会社法331条5項)についてであり、これも「過半数が社外」という要求を伴うものではない。したがって本記述は誤りである。
結論:この記述は正しい。
会社法331条6項は、監査等委員会設置会社においては、監査等委員である取締役は3人以上で、その過半数は社外取締役でなければならないと定めている。監査等委員会は、監査等委員である取締役全員で組織される機関であり(会社法399条の2第1項・2項)、取締役でありながら監査を担うという性質上、社外取締役が過半数を占めることで独立性を確保する仕組みが採られている。
監査等委員である取締役は、それ以外の取締役と区別して株主総会で選任され(会社法329条2項)、その任期は原則として選任後2年以内に終了する事業年度のうち最終のものに関する定時株主総会の終結の時までであり(会社法332条1項)、定款または株主総会の決議によってこれを短縮することはできない(同条4項)。また、監査等委員会設置会社は取締役会および会計監査人を置かなければならず、監査役を置くことはできない(会社法327条1項3号・4項・5項)。
「3人以上・過半数が社外」という数字は、指名委員会等設置会社の各委員会(会社法400条1項・3項)と共通しており、監査役会設置会社の「3人以上・半数以上が社外監査役」(会社法335条3項)との違いを押さえておく必要がある。