この法律は、平成二十年四月一日から施行する。
この条文の過去問 2肢
結論:この記述は誤り。
商行為の委任による代理権は、本人の死亡によっては消滅しない(商法506条)。民法では、代理権は本人の死亡によって消滅するのが原則であるが(民法111条1項1号)、商法はこれに対する特則を置いているのである。
その趣旨は、企業活動の継続性の確保にある。商人の営業は本人個人の生死にかかわらず組織として継続するのが通常であり、支配人や代理商などの代理権が本人の死亡によって当然に消滅するとすれば、相手方は代理人の権限の有無を逐一確認しなければならず、取引の迅速性と安全が害される。そこで、商行為の委任による代理権については本人の死亡を消滅事由から外し、相続人のためにその効力を存続させることとした。
なお、代理人の死亡や代理人が後見開始の審判を受けたことによって代理権が消滅する点(民法111条1項2号)は商行為の委任による代理でも同じである。本記述は506条と正反対の内容を述べており、誤りである。
結論:この記述は正しい。
商人がその営業の範囲内において他人のために行為をしたときは、相当な報酬を請求することができる(商法512条)。
民法では、委任は無償を原則とし、受任者は特約がなければ委任者に対して報酬を請求することができない(民法648条1項)。寄託についても同様である(民法665条による648条の準用)。しかし商人は営利を目的として反復継続的に営業を行う者であり、無償で他人のために行為をすることは通常想定されない。そこで商法は、報酬に関する特約がなくとも相当な報酬を請求できるものとして、民法の無償原則を修正している。
報酬請求が認められるためには、その行為が当該商人の「営業の範囲内」の行為であることを要する。他人からの明示の依頼がない場合であっても、客観的にみてその他人のためにする意思でされた行為と認められるときは、本条による報酬請求が認められると解されている。
本記述は512条の内容そのものであり、正しい。