1株式会社は、次に掲げるいずれかの方法により設立することができる。
一 次節から第八節までに規定するところにより、発起人が設立時発行株式(株式会社の設立に際して発行する株式をいう。以下同じ。)の全部を引き受ける方法
二 次節、第三節、第三十九条及び第六節から第九節までに規定するところにより、発起人が設立時発行株式を引き受けるほか、設立時発行株式を引き受ける者の募集をする方法
2各発起人は、株式会社の設立に際し、設立時発行株式を一株以上引き受けなければならない。
この条文の過去問 2肢
結論:この記述は誤り。
商法577条1項は「貨幣、有価証券その他の高価品」について運送人の免責を定めるが、条文自体は高価品の定義を置いていない。高価品とは、容積または重量の割に著しく高価な物品をいうと解されている(判例・通説)。基準となるのは物品の容積・重量との対比であって、運送賃との対比ではない。したがって、「運送賃に照らして著しく高価なもの」とする点が誤りである。
このように解されるのは、高価品特則の趣旨が、運送人が予期しない高額の賠償責任を負うことを防ぐ点にあるからである。運送人は、小さく軽い荷物であれば運送賃も低く見積もり、それに応じた注意しか払わない。ところが実際には宝石や有価証券のように容積・重量に比して極めて高価な物が入っていた、という場合に運送人へ全損害の賠償を負わせるのは酷である。そこで、荷送人に種類および価額の通知を求め、通知がなければ免責するという仕組みが採られている。運送賃を基準にすると、運送賃の定め方次第で高価品の範囲が変動してしまい、この趣旨に沿わない。
結論:この記述は正しい。
商法577条1項は、「貨幣、有価証券その他の高価品については、荷送人が運送を委託するに当たりその種類及び価額を通知した場合を除き、運送人は、その滅失、損傷又は延着について損害賠償の責任を負わない」と定めている。記述はこの条文の内容そのものである。
通知を要するのは「種類」と「価額」の両方であり、運送を委託するにあたり、すなわち運送契約の締結時にされる必要がある。通知があれば運送人は運送品の価値を把握でき、それに応じた割増運送賃を請求したり、高度の注意をもって取り扱ったり、あるいは引受け自体を断ったりすることができる。この機会を与えなかった荷送人には保護を与えないというのが、この規定の考え方である。
ここでの免責は全部免責である点に注意を要する。高価品としての価値を超える部分についてのみ責任を免れるのではなく、通常品としての損害を含めて一切の損害賠償責任を負わないと解されている。