1意思表示は、表意者がその真意ではないことを知ってしたときであっても、そのためにその効力を妨げられない。ただし、相手方がその意思表示が表意者の真意ではないことを知り、又は知ることができたときは、その意思表示は、無効とする。
2前項ただし書の規定による意思表示の無効は、善意の第三者に対抗することができない。
この条文の過去問 2肢
結論:この記述は正しい。
留置権は、他人の物の占有者が、その物に関して生じた債権を有するときに、その債権の弁済を受けるまでその物を留置することができる権利である(民法295条1項)。占有は成立要件であると同時に存続要件でもあり、占有を失えば留置権は消滅する(民法302条本文)。
留置権の本質は、目的物を債務者の手元に戻さずに留め置くことによって債務者に心理的な圧力を加え、弁済を間接的に強制する点にある。ところが、債務者自身を占有代理人として占有するとすれば、目的物は現実には債務者の手元にあることになり、このような留置による弁済の間接強制という機能がまったく働かない。
したがって、債務者を占有代理人とする占有では留置権の要件たる占有があるとはいえない。民法302条ただし書が、債務者の承諾を得て留置物を賃貸し、または質権の目的としたときに限って占有喪失による消滅の例外を認めていることも、この理解を裏づける。よって本記述は正しい。
結論:この記述は誤り。
民法333条は、先取特権は、債務者がその目的である動産をその第三取得者に引き渡した後は、その動産について行使することができないと定める。動産先取特権は公示を伴わない担保物権であるため、目的動産が第三取得者の手に渡った段階で追及力を断ち切り、取引の安全を図る趣旨である。
この「引渡し」について、判例は占有改定による引渡しも含まれるとしている(大判大正6年7月26日)。すなわち、現実の引渡しがなくても、占有改定がされれば先取特権は当該動産について行使できなくなる。
即時取得における占有取得(民法192条)とは扱いが異なる点に注意を要する。即時取得では真の権利者が権利を失うという重大な効果が生じるため占有改定が排除されるのに対し、民法333条では第三取得者の取引安全を保護する趣旨から広く引渡しが認められている。
よって、占有改定が含まれないとする本記述は誤りである。