この法律に定めるもののほか、審査会に関し必要な事項は、政令で定める。
この条文の過去問 2肢
結論:この肢の組合せは「誤り」。アとイは正しいものの、ウとエが判決の文言と異なります。
素材は最判昭和45年8月20日(高知落石事件)です。
空欄アの「通常有すべき安全性」は正しい語句です。判決は、営造物の設置または管理の瑕疵を「営造物が通常有すべき安全性を欠いていること」と定義しました。この定義は客観的な状態を問うものであり、管理者の主観的な注意義務違反を問題にしていない点が重要です。
空欄イの「過失」も正しい語句です。判決は「これに基づく国および公共団体の賠償責任については、その過失の存在を必要としない」と述べ、国家賠償法2条1項が無過失責任であることを明らかにしました。民法717条の工作物責任が占有者について免責を認めるのに対し、国家賠償法2条1項には免責規定がなく、より厳格な責任構成になっている点も併せて押さえてください。
空欄ウについて。本肢は「事務処理」としますが、判決は「上告人県としてその予算措置に困却するであろうことは推察できる」と述べています。文脈をたどれば明らかで、直前で「本件道路における防護柵を設置するとした場合、その費用の額が相当の多額にのぼり」と費用の話をしているのですから、続く語は財政に関する「予算措置」でなければ意味が通りません。空欄補充問題では、前後の文脈から語の性質(この場合はお金の話)を絞り込むのが定石です。
空欄エについて。本肢は「予見可能性」としますが、判決は「本件事故が不可抗力ないし回避可能性のない場合であることを認めることができない」と述べています。免責が語られる場面では、天災等の不可抗力と、結果を避けられなかったこと(回避可能性の欠如)が並列されます。過失責任を否定した判決が、過失の判断要素である予見可能性を持ち出すのは論理的に不整合です。
ひっかけポイントは、アとイという「知っている部分」が合っているために、ウ・エを検討せずに選んでしまうことです。組合せ問題は、確実に判断できる空欄で候補を絞り、残った候補について差がついている空欄だけを比較する、という手順で解いてください。本問ではウとエの二か所が肢4と肢5の分岐点です。
結論:この肢の組合せは「正しい」。ア=通常有すべき安全性、イ=過失、ウ=予算措置、エ=回避可能性で、これが正解肢です。
素材は最判昭和45年8月20日(高知落石事件、民集24巻9号1268頁)です。国道の山側斜面から落石があり、通行中のトラック助手席の同乗者が死亡した事故につき、道路管理者である高知県の国家賠償法2条1項の責任が認められました。
アについて。判決は「国家賠償法二条一項の営造物の設置または管理の瑕疵とは、営造物が通常有すべき安全性を欠いていることをいう」と定義しました。瑕疵の有無は、当該営造物の構造、用法、場所的環境、利用状況等の諸事情を総合考慮して個別具体的に判断されます。本件では、従来から落石や崩土が繰り返されていたにもかかわらず、道路管理者が「落石注意」の標識や赤布を立てるにとどまり、防護柵・防護覆の設置、山側への金網の設置、斜面の常時調査と危険な岩石の除去、事前の通行止めといった実効的な措置を何ら講じていなかった点が重視されました。
イについて。判決は「その過失の存在を必要としないと解するを相当とする」と述べ、2条1項の責任が無過失責任であることを明らかにしました。故意・過失を要件とする1条1項の公権力責任との違いが試験では頻出です。
ウについて。判決は、防護柵の設置費用が多額にのぼり県が「予算措置に困却する」であろうことは推察できるとしつつ、それによって直ちに賠償責任を免れることはできないと判示しました。財政的制約は免責事由にならないという、この判例のもう一つの核心部分です。
エについて。判決は「本件事故が不可抗力ないし回避可能性のない場合であることを認めることができない」と述べました。無過失責任といっても絶対無責任ではなく、不可抗力や結果回避可能性の欠如は例外的に免責をもたらしうることを前提とした言い回しです。
関連知識として、道路管理の瑕疵をめぐる対比判例を押さえておきましょう。工事標識板等が事故直前に倒されたケースでは原状回復が時間的に不可能として瑕疵が否定され(最判昭和50年6月26日)、故障車が87時間放置されたケースでは瑕疵が肯定されています(最判昭和50年7月25日)。安全性確保のために必要な措置をとる時間的余裕があったかどうかが分水嶺です。