届出が届出書の記載事項に不備がないこと、届出書に必要な書類が添付されていることその他の法令に定められた届出の形式上の要件に適合している場合は、当該届出が法令により当該届出の提出先とされている機関の事務所に到達したときに、当該届出をすべき手続上の義務が履行されたものとする。
この条文の過去問 1肢
結論:この肢は「誤り」。
特別区の執行機関が都知事の一般的な指揮監督に服するという事実はありません。都知事に認められているのは、連絡調整のための助言・勧告にとどまります。
根拠を確認します。地方自治法281条の2第2項は、特別区は、基礎的な地方公共団体として、同条1項で都が処理するものとされているものを除き、一般的に市町村が処理するものとされている事務を処理すると定めています。この限りで、肢の前段(原則として市町村と同様の事務を処理する)は正しいといえます。しかし後段が誤りです。同法281条の6は、都知事は、特別区に対し、都と特別区および特別区相互の間の調整上、特別区の事務の処理について、その処理の基準を示す等必要な助言または勧告をすることができると定めるにとどまり、指揮監督権を認めていません。助言・勧告は相手方を法的に拘束しない非権力的な関与です。
理由づけです。1999年(平成11年)の地方分権一括法により、機関委任事務が廃止され、国と地方、都道府県と市町村の関係は上下・主従から対等・協力の関係へと転換されました。その具体化として、地方自治法245条以下は、国または都道府県の関与について、法律またはこれに基づく政令の根拠を要すること(関与の法定主義、245条の2)、必要最小限度でなければならず、自主性・自立性に配慮しなければならないこと(関与の基本原則、245条の3)を定めています。包括的・一般的な指揮監督権という概念自体が、現行法の関与の体系とは相容れないのです。特別区も基礎的な地方公共団体である以上、この原則が妥当します。
ひっかけポイントです。第一に、都と特別区の調整の仕組みは、指揮監督ではなく、都区協議会(地方自治法282条の2)における協議と、都知事の助言・勧告(281条の6)によるという点。第二に、都が特別区の区域において処理する事務(消防、上下水道など、大都市地域の一体性・統一性の確保の観点から都が一体的に処理することが必要な事務、281条の2第1項)が例外的に定められているという点。第三に、自治体が国等の関与に不服がある場合には、国地方係争処理委員会(250条の7)や自治紛争処理委員(251条)への審査申出、さらには関与に関する訴え(251条の5)という争訟手段が用意されている点です。対等・協力という基本原則から発想すれば、「一般的な指揮監督」という表現が出た時点で誤りを疑えます。