1日本国民は、正義と秩序を基調とする国際平和を誠実に希求し、国権の発動たる戦争と、武力による威嚇又は武力の行使は、国際紛争を解決する手段としては、永久にこれを放棄する。
2前項の目的を達するため、陸海空軍その他の戦力は、これを保持しない。国の交戦権は、これを認めない。
この条文の過去問 4肢
結論:この肢は「妥当」であり、本問の正解肢ではない。
最決平成29年1月31日民集71巻1号63頁は、削除請求の可否について比較衡量の枠組みを示し、当該事実の性質及び内容、当該URL等情報が提供されることによってその者のプライバシーに属する事実が伝達される範囲とその者が被る具体的被害の程度、その者の社会的地位や影響力、上記記事等の目的や意義、上記記事等が掲載された時の社会的状況とその後の変化など、当該事実を公表されない法的利益と当該URL等情報を検索結果として提供する理由に関する諸事情を比較衡量して判断すべきであるとしました。
そのうえで、判例は「当該事実を公表されない法的利益が優越することが明らかな場合には、検索事業者に対し、当該URL等情報を検索結果から削除することを求めることができる」と判示しています。本肢はこの判示と整合し、妥当です。
最重要のひっかけポイントは、「優越することが明らかな場合」という限定文言です。単に法的利益が優越するだけでは足りず、「明らかに」優越する場合に限って削除が認められるという、削除請求にとって厳格な要件が課されている点が判例の核心です。問題文がこの「明らか」の語を落としたり、逆に「比較衡量を要せず一律に削除できる」などと書いたりしていれば誤りになるので、文言レベルで丁寧に確認しましょう。本件の児童買春の事案では、結論として削除請求は認められませんでした。
結論:この肢は「妥当」であり、本問の正解肢ではない。
最決平成29年1月31日民集71巻1号63頁は、本件で問題となった児童買春の事実について、「児童買春が児童に対する性的搾取及び性的虐待と位置付けられており、社会的に強い非難の対象とされ、罰則をもって禁止されていることに照らし、本件事実は、現在においても、公共の利害に関する事項である」と評価しました。本肢はこの判示の趣旨を述べたものであり、妥当です。
この評価が比較衡量において重要な意味を持ちます。すなわち、逮捕歴がプライバシーに属するとしても、当該犯罪が強い社会的非難を受ける性質のものである場合には、相応の期間が経過してもなお公共の利害に関する事柄として、検索結果を提供する側の事情(公益性)が重く評価されます。本件では、加えて、本件事実が伝達される範囲が検索条件(氏名と居住県名等)を入力した者に限られ比較的限定されていたこともあわせ考慮され、「公表されない法的利益が優越することが明らか」とまではいえないとして、削除請求は認められませんでした。
受験生は、前科の種類・性質によって公益性の評価が変わりうること、そして時の経過(更生の利益)が削除を後押しする方向に働く一方で、犯罪の重大性・社会的非難の強さが削除を否定する方向に働く、という双方向の衡量構造を理解しておくとよいでしょう。
結論:この肢は「妥当」。判例の趣旨に沿っているので、本問(妥当でないものを選ぶ)の正解肢ではありません。
衆議院に小選挙区比例代表並立制を導入した公職選挙法の合憲性が争われた最大判平成11年11月10日は、小選挙区制について本肢とほぼ同旨の判断を示しました。すなわち、小選挙区制は1選挙区で1名のみが当選するため死票が多く生じやすいことは否定し難いが、死票はいかなる選挙制度でも生じ得るものであり、小選挙区制は選挙を通じて国民の総意を議席に反映させる一つの合理的方法ということができる、と述べています。
そのうえで判例は、選挙制度の仕組みの決定は国会の広範な裁量(憲法47条)に委ねられており、小選挙区制が国民の選挙権を侵害したり、選出された議員が全国民の代表であるという性格(憲法43条1項)と矛盾したりするものではないとしました。本肢は判例の判旨を忠実に反映しており妥当です。
関連知識:死票(しひょう)とは当選に結びつかなかった票のことです。比例代表制は死票が比較的少ないとされますが小党乱立を招きやすく、小選挙区制は死票が多い反面で政権の安定につながりやすいという長所短所があり、どの制度を採るかは立法政策の問題とされています。
結論:この肢は「妥当」。判例の趣旨に沿っているので、本問(妥当でないものを選ぶ)の正解肢ではありません。
重複立候補制が争われた最大判平成11年11月10日は、衆議院の小選挙区選挙と比例代表選挙とに同一人が重複して立候補することを認めるか否かは、国会が裁量により決定し得る事項であるとしました。重複立候補制は政党本位・政策本位の選挙を実現するための立法政策上の選択であり、これを認めることが憲法(43条1項、47条等)に違反するものではないと判断しています。
重複立候補制度の下では、小選挙区で落選した候補者でも比例代表の名簿順位(同一順位の場合は惜敗率)によって復活当選する可能性があります。判例はこうした仕組みも、選挙制度全体を合理的に構築するための国会の裁量の範囲内にあるとして合憲としました。
ひっかけポイント:「同一人が二つの選挙で二度有利に扱われ不公平だから違憲」という直感を持ちやすいですが、判例は国会の広範な裁量を強調して合憲としています。本肢は妥当であり、本問の正解肢ではありません。